進路に悩んでいる高専生にも悩んでいない高専生にも

高専の枠を飛び越え、自由に進路を決めていく

学生の間に得た一芸で、食べていく。
こんなことを夢に見た人もいるのではないでしょうか?
えはらさんは高専を中退後、医療系の仕事に従事しながら、大道芸人として活動を続けられています。そんなえはらさんに、人生の選択についてお聞きしました。

パフォーマーえはらさん
木更津高専中退後、医療系専門学校に入学。
現在は医療系の仕事に従事しながら大道芸人として活動する

高専に進んだきっかけは小学校時代からのロボコンへの憧れ

まず、高専に入った経緯から聞かせてください!

ロボコンがやりたかった。本当にそれだけですね。小さい頃からの夢がエンジニアだったんです。父親が電気系のエンジニアで影響受けてて、小学校の頃から「エンジニア」って夢を描いてました。
横が高専だったので、高専ロボコンとか母親に連れてもらってて、ロボコンを見た時から高専行きたいなって思ってました。

ロボコンをやりたくて、電気系の学科を選んだということですか??

学科を選んだのは広く浅いところにして、あとで自分の学びたいところを深めていこうと思ってですね。広く浅すぎてついていけなくなりましたけど。笑
電気とか見えないから想像しづらいんですよ。見えないものとは仲良くできなかったですね。笑

電気が嫌いだったんですね笑。高専自体は嫌じゃなかったんですか??

そうですね。むしろ高専自体はエンジョイしてました。
非公式なんですけどジャグリングのサークルがあって、それは今でも教えにいってますね。僕が作ったサークルなんですけど。
高専を辞めた今でもエンジョイしてますね。笑

非公式のサークルって公言しても大丈夫なんですか…??

全然大丈夫だと思いますよ。文化祭でもやってるし、公式の非公式って感じですね。みんな知ってる。
何が面白いって「今木更津高専で一番留年してるって言われるサークルは車部とジャグリングだから。」
いや、ジャグリング公式じゃないよ。そこまでいうなら公式にしてくれよって思ってるけどね笑
活動場所もみんなが絶対通るようなところでやってるからむしろ公式だと思ってやってる可能性あるね笑

電気と仲良くなれなかったということはやっぱり留年とかも経験されてるんですか…??

いっぱいしてます!
進級・仮進級・留年・休学・退学、全部やってますね。
単位で関わることでやったことないんじゃないか?ってくらい全部。笑
再履修とか、ボランティア単位とかももらったりしたし、色々やりすぎて俺レジェンドだねって話ちょうど今日してきてて。そんなレジェンドのこと知ってる人ももういないねなんて話してました。笑

休学してから専門学校に行かれたということですけど、高卒認定を取られたんですか??

取ってます。取らないと専門学校に入れなかったので。だから専門学校卒業しないと最終学歴中卒だったんですよ。

入学して仮進級、留年、進級して3年生で休学して、専門学校に進んで1年経って、もういいなって思って中退したんです。

えはらさんの大技の1つ。
動く筒や箱を板で挟み、その上でジャグリングをする。
使う板なども自分の手で作るとのこと。

高専時代にハマったことが仕事に。

大道芸はいつ頃からはじめられたんですか??

人前に出たのは…いつからだろうなー。2015年頃に本格的に始めた気がします。11月に高専の文化祭があって、そこで初めて1人でやって、12月には路上でやってましたね。
大道芸の仕事は基本知り合いとか先輩から来ますね。自分からとってくる人もいますけど、僕はあんまり得意じゃなくて。

大道芸って色々あると思うんですけど、特に何をやられてるんですか??

大道芸って言っても色々あるんですけど、僕は始めたのがジャグリングのディアボロからなんですよ。最近は他にも色々できるように練習したりしてるんですけど。
場所によっても変えたりしなきゃいけなくて、上が広かったらコマやったり、狭いとこだとボールジャグリングやったりとかしてます。

技を色々変えたりするんですね!そういう構成みたいのを考えるのって大変なものなんですか…??

新しい技とか新しいことやろうというときが一番楽しくて、構成考えていること自体はすごいモヤモヤしますね。これまでやってたものを崩したりしなきゃいけないし、長くなりがちなので短くなるように工夫しなきゃいけなくて。
お客さんが楽しんでもらえるように色々考えますね。

路上でやるときもあったり、イベントでやるときもあるとのことなんですけど、どっちが楽しいとかってあるんですか?

路上でやってるのは本当はやらなくてもいんですけど。警察に怒られたりするし、やりたくないんですけど。お金の為だけじゃなくて、経験値稼ぎとかの意味も込めてやったりしますね。あと、イベントの時も楽しかったりしますけど路上の方が楽しい時もあります。
空気も違うし。
イベントは見たいから見にくる人が多くて、テンションが高いんですけど、路上って本当に偶然なんですよね。そこまで見たいと思ってない人が最後まで見てくれたりすると、「あぁ楽しんでくれたかな。」って嬉しくなります。
そういう意味ではストリートは楽しいですね。リスクとかでかいですけど。

専門学校に通われたり、職に就かれたりしても大道芸を続ける理由はなんですか…??

楽しいんですよ。人前に出るの。
だから、芸人に惹かれて、憧れてこの道に進むと決めたからには続けられる間は全力で進みたいと思っています。

路上での投げ銭は、ジャグリングタイプの場合、完全に実力がそこに出るとのこと。
投げ銭に向いている大道芸や、投げ銭には向かないイベント向きの大道芸などいろんなタイプがあり、運も大きく影響するとのこと。

やりたいことと生きていくこと。2つの軸で考える進路。

高専をやめて医療系の専門学校に行ったということですけど、なぜ医療系だったんですか??

繰り返しになりますけど、電気と仲良くできないと思ったんですよ。そこで別の分野に行こうと思って。
大道芸人をしたいってなった時に、病院ってどこにでもあるじゃないですか。だからどこでも働ける。専門職だし、職に困ることはないかなと思ったっていうのが本音です。

それと、間に合ったっていうのもありますね。僕、3/30に願書出して、3/31に面接受けて、4/1に学校入ったんですよ。だから、間に合うというのも選んだ理由としてありますね。勢いで生きてます笑

なるほど。勢いだったんですね笑。高専生に向けて、進路の考え方って何かアドバイスありますか??

私は芸人をやっていく為に全国どこにでもある病院、その中でも自分の経験を活かせる情報系の職種を。そして資格取得のフォローの手厚い専門学校を選びました。 一旦高専を選び失敗しているからこそ、自分のやりたいことに対して支障のないかどうかをしっかり調べた方がいいかなと思います。

イベント出演も頻繁に行われています。詳しくはえはらさんのブログから。(最後にブログ載せてます)

義務教育じゃないんだから行かなくていいし、辞めたっていい。

高専自体は嫌じゃなかったというえはらさんから見て、高専の良かったところってなんでしょうか??

非公式で色々やらせてくれるのが一番良かったところだと思います。
高校年代でも大学みたいな扱いしてくれる高専のいいところかもしれないですね。
僕が作った非公式サークルもそうですね。実働人数が10人くらいいて、今でも活発に活動してたりします。

えはらさんにとって高専の日々ってどうでしたか??

もちろん高専にいた時間もゼロとは言わないが無駄な時間はなく、毎日楽しかったし技術力という所でも道具の自作等に役立っているところもあります。 また交友関係も未だに続いていますし、後輩達と一緒に練習することもあります。

最後に高専生にアドバイスをください!!

個人的には義務教育じゃないんで行きたくなければ行かなくていいし辞めたいなら辞めればいいと思ってます。
ただ、その先の道やビジョンをある程度持って辞めないと何も起こりません。 高専の制度(休学等)を上手く使って悩んだり、その先の道を作ったりと時間を使うのもいいし悩んだ結果戻ろうと思ったら戻ってしっかり卒業すればいいと思います。

ありがとうございました!

取材当日はトランプでのマジックなど、その場でできる芸を披露してくれたえはらさん。
筆者は目の前で披露される芸の数々に楽しんで、あっという間に時間が過ぎました。
人に楽しんでもらうということを生業にしている職人だとひしひしと感じました。

えはらさんについて
・ブログはこちらから
Twitter(@p_ehara)

取材・執筆:大久保和樹
編集:若林拓海

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