進路に悩んでいる高専生にも悩んでいない高専生にも

高専から海外大学に編入する時の“単位互換”について

こんにちは。高専から海外大学へ編入した玉谷です。
これまでにも高専卒の海外大生というテーマについて記事を書いています。
海外で勉強する事に興味がある学生は、前回、前々回の記事も是非、目を通してみてください。

第1回の記事(前々回)
第2回の記事(前回)

3つ目となる今回の記事は、僕自身が渡米前に最も気になっていた「海外大への単位の移行」についてです。

執筆者:玉谷瑛祐(タマタニエイスケ)
2017年3月に石川高専の電気工学科を卒業
卒業後はアメリカの大学へ進学
現在は米国ネブラスカ州立大学オマハ校ITイノベーション学部在籍

2年で卒業したかった

僕の進学前の気持ちです。

クラスメイトの半分が就職し、国内大学へ進学する学生も2年で大学を卒業すると分かっていたので、みんなから遅れる事に若干の抵抗がありました。その為、卒業するのにどれくらいの時間がかかるのか、高専で取った単位は海外大で使えるのか、すごく気になっていました。

渡米するまで分からなかった

英文の成績表を大学に直接送ったり、メールで大学とやり取りをしましたが、結局明確な答えはわかりませんでした。その原因の1つにアメリカの大学のシステムも関係してくると思います。

日本の大学は1年生、2年生、3年生、4年生と明確に分かれていますが、アメリカはそうではありません。120単位取った人から卒業していいよ。というシステムなので、4年以上在学する学生もいますが、逆に3年や3年半で卒業する学生もいます。

単純計算で1年間に30単位履修すれば、4年かかりますし、40単位履修すれば3年で卒業できます。

また、”高専”という教育機関がアメリカにないことも1つの大きな原因でしょう。

単位の移行は交渉

アメリカの大学にはアカデミックアドバイザーという人がそれぞれの学部にいます。履修授業や成績の相談は彼らにします。

数学の授業の単位の移行を許可するのは数学部の人、物理の授業の単位の移行を許可するのは物理学部の人…のように最終的にそれぞれの学部から、許可を得る必要がありますが、まずは、そのアカデミックアドバイザーに認めてもらう必要があります。

大学からの編入はすごくスムーズなのですが、高専の場合、専門科目を1年生の時から履修しているので、その辺りの説明と説得がとても難しかったです。特に渡米直後で英語が拙かった僕にとっては骨の折れる作業でした。

大変でしたが、高専の説明をしっかりとして、5年分のシラバスを全て英訳して自分の学科のカリキュラムを説明し、理解してもらいました。

まず、必ず伝えた方が良いことは、高専を卒業して準学士/ Associate Degreeを所得したという事です。アメリカに高専はなくても2年制大学はあり、そこからの4年制大学への編入は一般的です。それ相当という事をしっかりアピールしましょう。

また、高専によっては英語版のホームページもあります。それを見せながら、アドバイザーに説明すると良いかもしれません。

これらをしっかりできないと、高専時代と同じ授業を何度も履修することになります。高専で何をやってきて、大学でこれから何をするのかをまず理解する事をお勧めします。

難しい作業に聞こえますが、焦る必要はありません。これらは、入学前に終わらす必要がある事ではないし、チャンスが一度しかないわけでもありません。実際、僕自身、結局最初の学期が始まっても、交渉は終わりきらず、何度もアドバイザーの元へ通い詰めました。そんな事をしているうちに気が付いたら1年が過ぎ、やっと卒業の目処が立ちました。

専攻を変え、卒業にかかる時間は3年

僕は高専で電気工学科だったのですが、アメリカの大学に進学する時、専攻をIT系の学部に変えました。そのため、学部を変えるつもりがない学生にとってはあくまで参考にしかなりませんが、僕の場合は大学で3年間を過ごす必要がありました。

大学と高専での専攻の相性や交渉力など、不確実な要素が多く、はっきりと言い切れることは少ないのですが、情報の1つとして、持っていてください。

これから、海外大へ編入する学生が増えてきて、情報発信する事で、高専から海外大へ進学するハードルが下がって行けば良いなと思っています。

卒業を控えて今思うこと

大学がスタートしてから2年が過ぎ、卒業まで残り1年を切りました。

「ステイしたい。」

今の正直な気持ちです。

1番の理由は楽しいから。それに、英語がまだまだ。2年じゃ全然足りない。と思っています。

お金もすごくかかるし、周りから遅れる事を不安に感じる学生もいると思います。でも、価値があります。海外の大学で勉強する事は時間とお金をかけるだけの価値がある。そう感じています。

まとめ

今回は単位の話がメインでしたが、結局できる事は僕自身の経験を伝える事だけで、まだまだはっきりしていない事が多いなと、改めて感じました。

ただ1つ言い切れる事は、行ってよかったという事です。

僕もそうでしたが、海外大に進学する事に対する不安は大きいと思います。何か個人的に聞きたい事などあれば、相談にのりますので、高専マガジン宛てにメッセージを送ってみてください。

読んでいただき、ありがとうございました。

来月は「国内大学と海外大学の違い」について解説しますので、お楽しみに!

執筆:玉谷・編集:大久保

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